フォトグラビュール(銅版画による写真)って、ご存知でしょうか。
左が銅を腐食させた版
我が家からくねくね道といくつもの坂を上がった先にある工房で
ピーター・ミラーさんにその作品を初めて見せていただいた時、
銅版画って・・・何者だっけ!?と思ってしまった。
たとえば霧のもやもやが、本当に、もやもや~~で、
自然そのものの柔らかさや「感触」みたいなものが、感じられるのです。
芸術作品って、少し離れた所から鑑賞するものとは思うけれど、
フォトグラビュールに限っては手に取ってかじりついて、
その見えない霧の粒を何とか見ようというような、
白(紙地の色)から黒の間にある、判別不能な無限の色段階を
どうにかして見破ってみたいと思うような。
そんな感じ。
ぜひ実物を見ていただきたいけれど、ここに、
ピーターさんにいただいた睡蓮池の作品『Bygones 忘れ物』があります。
和を感じるこの撮影場所は、フィンランドだそうです。
ギューッとプレスされた端のへこみ、
ごくわずかににじんで水彩画のようにも見えるインクの乗り、
だけでも伝わるでしょうか。
フォトグラビュールは、一生もの。
一生どころか、何世代も生き抜く耐久性を持つもの。
ピーターさんの作品は、鎌倉近代美術館や、海外の国立美術館に所蔵されています。
さて、このたびピーターさんの工房の日本語サイトを制作、
そちらで作品を購入することができます。
鎌倉プリントコレクション 日本語サイト
http://kamprint.com/xpress/
ウェブの小さな色世界では、その魅力を伝えきれない。
けれど、少しでも、伝わるように…
今回のお題は
「 NOT TOO PROFESSIONAL 」
整った、どれも同じ形でピッタリ揃っている、美しいギャラリーサイト…
典型的なそんなサイトは「 SO BORING 」。
だから例えば「海」シリーズの作品リストページはこうです:
サムネイル画像のサイズは、作品の大きさによってマチマチ。
背景の色は、海を連想させる深い青。
個別の作品ページでは、作品がサイト幅からはみ出してしまったりも。
その他の要点は以下:
・WordPressにて構築
・日本語を読めない人が見ても”わけのわかる”サイトにする
・本家英語サイトがあるので、サイトのトーンはすべて踏襲。
・(認知の浅い)フォトグラビュールをまずは確実に知って、見てもらう
・インクや撮影場所やサイズなど、様々な側面からの検索を可能にする
・新作追加を容易にする:作品のスペックを固定欄に入力するだけ
・フルデータベース化する&ローカル管理FileMakerとの連携をとる
全部当たり前のことですが。
今回、管理者はピーターさん。
なので管理上は全部英語でできて、でもサイトとしては日本語で表示されるように、といった細かな部分にも、苦心しました。
では、深くて淡くて柔らかくて重い…のに軽い…触覚にも訴えるような…
フォトグラビュール作品を、どうぞじっくりご覧くださいね!